夏のツーリングを楽しむための10のポイント
夏のツーリングは、本当に楽しいものです。秘密の入り江、誰もいないビーチなど、バイクと少しの想像力があれば、徒歩や車では辿り着けないような魅力的な場所に行くことができます。必要なのは、地図上でポイントを決め(可能であれば海岸沿いのポイントがいいでしょう)、あとは走るだけです。
しかし、それなりの覚悟は必要です。気温30℃以上の中を走る夏のツーリングは、春と比較して特に温度調整に気を使う必要があります。ここでは、夏のツーリングを楽しむためのルールを紹介していきましょう。
1. 気温に合った装備を選択しているかを確認しましょう。パンツ、ジャケット共にメッシュ素材のものが理想です。
また、通気性だけでなく、安全性も兼ね備えたものがベストでしょう。
シーズンごとにウェアを揃えることに抵抗があるのであれば、取り外し可能な防水インナーを装備し、大き目のベンチレーションを備えたモデルがお勧めです。
パンツ選びも重要です。普段履きなれたジーンズが快適であると思いがちですが、専用のメッシュ・パンツの通気性にはかないません。
2. 1で言及したヒントを心に留め、専用のウェアを着用することを忘れないでください。半袖で旅行することは一見涼しく快適に思えますが、肌を炎天下に晒すことは体を覆うことよりもリスクがあります。
高価な日焼け止めを使用していたとしても、数時間の直射日光の下では、どうしても日焼けのリスクが高くなります。
3. 素手やスニーカーなども、お勧めできる装備ではありません。グローブは軽量で通気性の良い専用のものを選びましょう。低速でも、スリップして転倒するリスクは常にあります。
また、ブーツ/シューズについても、夏用の通気性に優れた安全性の高いものをお勧めします。カジュアルなスニーカーや一般的なブーツでは、十分に足を保護することができません。
走行時は転倒時の危険性だけでなく、頻繁に足を地面につける動作によって足と足首に負担が蓄積されます。このような足へのサポートも、ツリーリングでは重要な要素の一つです。
4. Daineseには、気温が高い環境でライダーが暑さに苦しむことがないように、特別に開発されたプロテクター(Pro-Armor)があります。
Pro-Armorは、表面の43%に穴が開いている構造でありながら、バイク用プロテクターの安全基準を満たしています。
この通気性と安全性を両立した"Pro-Armorシリーズ"は、バック・プロテクター、チェスト・プロテクターなど、部位ごとにさまざまなモデルが用意されています。
5. ヘルメットを新調するなら、モジュラー・タイプのものを検討してみましょう。短い休憩では、チンガードを上げるだけでヘルメット内の熱を逃がすことが可能です。
ジェット・タイプのヘルメットも風通しという面ではお勧めできますが、夏の走行では熱風を顔に浴び続けることになり、しばしば顔に当たる虫に悩まされる、というデメリットがあります。
6. 気温の高さと炎天下の日差しは、セットでライダーを苦しめます。直射日光を和らげるために、スモーク・バイザーを使用しましょう。
目だけでなく、顔全体を日光から守ります。なお、夜間走行を組み合わせるツーリングの場合、夜も安全に走行できるように、予備のクリア・バイザーを持っていくのが理想です。
7. メインのジャケットやパンツと同じように、テクニカル・アンダーウェアもツーリング時には強い味方となります。
専用のウェアは効率良く汗を吸収してくれるだけでなく、体温調節を助け、ツーリング時の快適性の確保に繋がります。
8. 雨天時の対策は忘れないようにしましょう。夏場は予期せぬ雷雨に見舞われる可能性があります。
防水インナーを装備したジャケットをお持ちであれば、出発時にインナーを外していても、いつでも取り出せる場所に収納しておくことが重要です。
9. 夏のツーリングでは、水分補給が鍵となります。自覚が無くても、脱水症状は急速に疲労を招き、反射神経を鈍らせ、ライダーはより大きな危険にさらされることになります。こまめに水分補給をしましょう。
頻繁に停車したくない場合には、ウォーター・バック付きのバックパックを用意して、走行中でも水分補給ができるようにするのも方法の一つです。
なお、小型のバックパックは、頻繁に使用するものを厳選して身に着けておくことができるので、メインの荷物とは別に用意しておくと便利です。
10. 夏のツーリングならではの悩みとしては、しっかりとした装備をしていてもジャケットの隙間から入ってくる、蜂やアブが挙げられるでしょう。
携帯する薬箱には、忘れずに虫刺され用の薬を追加しておきましょう。万が一のトラブルのとき、持ってきて良かったと思える時が来るはずです。
ツーリングの準備は常に万全であるべきですが、やはり気温が高い(あるいは低い)シーズンでは、より慎重に装備を整える必要があります。
冬場の走行で凍えたり、夏場の走行で汗にまみれ日焼けの痛みを感じたりすることは、本来求めていたツーリングの楽しみを損なってしまいます。ライディングや旅を最大限楽しむためにも、ぜひ今回ご紹介したルールを参考にしてみてください。