ウィンター・スポーツに最適な防寒素材は?
新しいスキー・ジャケットを購入する際に考慮すべき基本的な要素の一つは、どのようなタイプの保温性を求めるか、ということです。
合成素材でも天然素材でも、それぞれの素材には固有の特徴と利点があり、ユーザーの用途によって最適な選択は異なります。
天然素材と合成素材は、それぞれに適した用途があります。このため、ギアを選ぶ前にそれぞれの違いを知っておくことが重要になります。
天然素材
同じ重さであれば、天然素材の方が合成繊維よりも暖かさで勝りますが、体積がありかさばります。特性としては、乾燥した極めて気温の低い地域で真価を発揮する素材です。
ただ、天然繊維は親水性が高いため、水に濡れると保温力が低下するという性質があります。つまり、寒さの対策には有効ですが、ごく激しい運動には適していないことなります。
ここでは、高機能な天然繊維の例をご紹介します。
グース・フェザー
グース・フェザーは、どの天然羽毛よりも優れた保温性能を持っています。非常に柔らかく柔軟な素材で、屋外の気温変化に対して優れた断熱性を発揮します。
同じ重さであれば、どんな合成繊維と比較しても、その保温力は優れているといえます。グース・フェザーは、圧縮性の高い素材ですが、通常の状態ではかなりの体積があるため、動きやすさを優先する場合には有効な選択肢ではありません。
また、撥水性に劣るため、水に濡れると保温性が損なわれる傾向があります。
メリノ・ウール
メリノ・ウールは、非常に柔らかく通気性が高いことが特徴で、体温を上げすぎずに保温できる特性があります。
グース・フェザーとは異なり、外側が疎水性、内側が親水性という特殊な特性を持っています。この特性により、湿度の高い環境下でも保温力を大きく損なうことがありません。
また、抗菌作用のあるラノリンを含んでいます。メリノ・ウールは、ウールの中でも最もソフトな素材の一つで、優れた保温性だけでなく中程度運動にも対応するバランスのとれた素材といえます。
合成繊維
合成繊維は体積を抑えることができるため、動きやすさの面で優れています。また、合成繊維には撥水性があるため、汗を排出しやすく、湿度の高い環境では特に有効です。
この特徴により、合成素材は激しい運動に向き、悪天候の中でも着用者を長時間保護できます。
ここでは、それぞれの用途に合わせた高機能合成素材の例を紹介します。
プリマロフト®クロスコア
プリマロフト®クロスコアは、細い合成繊維と、独自の特性を持つ加工素材であるエアロゲルを組み合わせた素材です。元々はNASAが航空分野で使用するために開発されたエアロゲルは、低密度で多孔質な構造をしており、寒さや熱の侵入を防ぎ、高い断熱性を誇ります。
エアロゲルは95%以上が空気であり、人類が知りうる素材の中で最も軽い固体素材です。その結果、合成繊維ならではの通気性と耐水性を維持しながら、軽量で断熱性に優れた繊維となりました。
プリマロフト®クロスコアを使用したウェアは、最も軽量で高い運動性能と保温性を必要とするアクティビティに最適です。
プリマロフト®シルバー
プリマロフト®シルバーは、極細のプリマロフト®繊維80%と撥水性のあるフェザーを20%融合させたものです。優れた断熱性と軽さを実現するように設計された、ソフトで薄手の生地です。
特許取得済みのプリマロフト®加工により、湿度の高い環境下でも優れた断熱性能を発揮します。断熱性に優れているので、保温性を保ったまま生地を薄く加工することができるため、コンパクトな収納、着用時の自由度も確保できます。
激しい運動や、動きやすさを求めるシチュエーションには最適です。
プリマロフト®ブラック
軽くて柔らかい他の合成繊維と同様に優れた撥水性を持ち、濡れても断熱性を維持します。プリマロフト®ブラックの保温性は、良質な天然のダウン・ジャケットに匹敵します。
ファイバーの外観と手触りは、高品質のガチョウの羽毛に非常によく似ています。プリマロフト®ブラックは、他のプリマロフト®ソリューションよりもシンプルな製法で作られており、シンプルなギアに適していますが、もちろん常に高いレベルの運動性能を保証します。
フェザー、ウール、合成繊維、ハイテク素材には、それぞれ異なる特徴や強みがあります。新しいギアを選択するときは、素材の特徴にも注意して、ニーズに適した製品選びを心がけましょう。