モーターサイクルウェアの基準2022 - 安全なライディングに必要なアイテム
イタリアの法律では、安全にバイクに乗る為に特定のルールに従うことが義務付けられています。
日本の道路交通法と同様にイタリアの交通法第171条では、「バイクに乗る人はすべて、公認のヘルメットを着用し、正しく固定しておかなければならない」と定められています。
しかし、ヘルメット以外のウェアやプロテクターについては着用が義務にはなっていないのです。私たちはライダーを危険から守るためには、ヘルメット以外にもプロテクションを装備する必要があると考えています。
安全なウェアを着用することが「義務」ではなく、ライディングをより自由に楽しむ為の要素の一つだとしたらどうでしょうか?
そのようなことは考えたことはありますか?
私たちは、自由であるには安全であることが必要不可欠だと考えています。
その理由を説明しましょう。
まず、安全性の高いテクニカルウェアを着用することで、他のことを気にせずにライディングだけに集中することができます。
そして、快適性、特に気温や天候などに左右されず快適性が向上します。そうすることで、心配事が減り、より快適になることで、より自由にバイクへの情熱を傾け、全ての旅を楽しむことができると考えています。
もう一度、原点に立ってみましょう。2022年にイタリアで義務化されたバイクの服装について、役立つ情報をお伝えしたいと思います。
ヘルメット - ホモロゲーション(認証)モデルの着用義務
最初に考えるべきプロテクターはヘルメットであり、前述のように唯一の必須アイテムです。
現在では、種類や色、ハイテク性、快適性、ファッション性など、実にさまざまなモデルがあり、選ぶのに困ってしまうほどです。
イタリアの交通法規では、ホモロゲーション(認証)されたヘルメットの着用が義務付けられています。
つまり、独立した外部機関が一連のテストに従って認証したものです(新しいホモロゲーションに関する詳細については、こちらをご覧ください)。
ヘルメットは、オープンフェイス(チンガードなし)、フルフェイス、モジュラーのいずれでもかまいません。
ヘルメットの寿命は、その使用とメンテナンスに大きく左右されるため、現在のところ交通法では「有効期限」を想定していません。しかし、たとえ完璧な状態を保っていたとしても、シェルや内装材は年月とともに衝撃を吸収する能力を失っていきます。
私たちは、少なくとも5年ごとにヘルメットを交換することを推奨しています。
もちろん、転倒等の衝撃を受けたり、シェルやストラップ、EPS、あるいはメカニズムに明らかな摩耗の兆候が見られる場合は、それ以前に交換する必要があります。
そして、なにより正しいサイズを選びましょう。
感覚に頼らず、店頭で試着することをおすすめします。
また、ヘルメットも用途に合わせて選びましょう。
バイクで長旅に出かける人は、長時間バイクに乗っていても静かで快適なモジュラーがお勧めです。
フルフェイスヘルメットは、パフォーマンスとコンパクトさ、軽量さを求める人にお勧めです。
オープンフェイスヘルメットは、シティライドに実用的なソリューションです。
バックプロテクター
ここでは、激しい衝撃による脊椎の損料を大幅に軽減するアイテム、バックプロテクターについて考えてみましょう。
たとえ義務でなくても、バックプロテクターは必ずホモロゲーションのモデルを選びましょう。
ストラップ式のものと、ウェアに挿入するように作られたものがあります。
具体的には、後者はジャケットの専用ポケットに入れるので、非常に実用的なシステムになっています。
DAINESEのバックプロテクターは、どちらのタイプも用意されています。
プロテクターは必ずジャケットの内側に着用するようにしてください。
衣服のような「フィルター」を介さずに、保護すべき部位にプロテクターが接触するほど効果的にプロテクション性能が発揮されます。
D-air(エアバッグ)ベスト:SMART JACKET
スマートジャケットは、モーターサイクルのプロテクション技術の中で新たな一歩を踏み出しました。
合計7個のセンサー(加速度センサーx3、ジャイロセンサーx3、GPS)が1秒間に1000回ライダーの体の動きを解析、特別なアルゴリズムによって作動するD-air®エアバッグを搭載したベストで、背中と胸部を保護します。
バイクとの接続は不要で、簡単に折りたたむことができます。通気性に優れており夏でも使用でき、防水性もあります。
非常に軽量ですが、バックプロテクター7枚分、従来の硬質チェストプロテクター8枚分の衝撃エネルギー吸収力を持ち、自由度と優れた保護性能を両立しています。
イタリアの交通法では義務化されていませんが、その安全性に加え、優れた汎用性と快適性から、強く推奨されているモデルです。
モーサーサイクルジャケット
ヘルメットは頭の保護に、バックプロテクター(またはエアバッグベスト)は背中の保護に役立ちます。
モーサーサイクルジャケットはそのほかの胴体と腕に対応し、肩と肘には認定プロテクターが装着されています。
かつてはレザージャケットしかありませんでしたが、現在の技術では豊富なモデルが用意されています。
夏にバイクに乗るなら、通気性の良い布製のジャケットをお勧めします。
一年中使えるジャケットをお探しなら、4シーズン対応のジャケット、あるいはパンチング加工を施したクラシックなレザージャケットもお勧めです。
グローブ
特に夏場に言えることですが、ライダーはグローブを軽視しがちです。
時速90kmで走行中に昆虫が素手にぶつかることを想像してみてください......。一見、些細なことですが、それがどんなに不快なことかは容易に想像がつきます。
しかも、それは実際の事項につながる可能性があり、たとえ低速であっても同じことが言えます。
また、グローブは日差しから手を守るものでもあります。気温が高いときには、ショート丈のテキスタイルモデルや、レザーとテキスタイルを組み合わせたモデルをお勧めします。
寒い時期には、防水性のあるモデルをお勧めします。
ライディングシューズ / ブーツ
ライディングシューズ / ブーツ も同様に重要です。
転倒した時には足がバイクの下敷きになりやすい、また強化されたソールによってフットペグからの不快な振動を軽減してくれるからです。
暖かい日には、パンチング加工が施されたモデルを、冬には防水性の高いモデルがお勧めです。
しかし、普段使いには、スニーカーのように気軽に着用できるYork Airや、S.Germain 2のようなスタイリッシュなアンクルモデルをお勧めします。
視認性の高いベスト
最後に、高視認性ベストがあると便利です。すでに蛍光色のウェアをお持ちの方以外は、いざというときのために常備しておくとよいでしょう。
安全なウェアを着用することは「義務」ではなく、「より安全に、より快適に走行するための機会」として捉えて、自由で心配のない状態でバイクを楽しみましょう。